2011年7月19日火曜日

ガンマ関数について---風車エンジニアにとっての意味

ガンマ関数について
 風力発電の話をすると必ず出てきて、多くの人がつっかえるのがワイブル分布、そしてレイリー分布。このときに平均風速 を出すときにいきなり出てくるガンマ関数だろう。
ワイブル分布という言葉を平気で使う人たちに聞いても、理解できていないのが、そこで使われるガンマ関数かもしれない。
手始めに、このガンマ関数について勉強しよう。
 nの階乗、つまり”n!”というとき、nは、非負整数である。ガンマ関数というのは、ここのnに整数以外を入れたとき、いくつになるか?ということ。(*1)
 ま、レイリー分布をつかうのは、たいがい、平均風速から風速出現率分布を推定するのだから、あまり関係ないといえばないのだが、理解できないものを説明もなく書かれても腹が立つだけ(*2)なので、理解しておいたら何かの役に立つかもしれない。(解析力学とかで、3次元でない球の体積を求めるときとかさ…)
*1 本来は、階乗の複素数への拡張のために、オイラーが定義した。という歴史と、数学的に美しい説明があってしかるべきなのだけれど、美的センスのないエンジニアにとっては、意味さえわかって使えりゃ文句ないわけで…美しい数学の姿にあこがれるようになったら、また理解しなおしてみたいと思う。
*2 NEDOの風力発電ガイドブックには必ず載っていたけれど、意味がわかっているだろうか。わかって書いているなら、他の部分と同じように、平易に書いて欲しいものだ。

ガンマ関数の性質
 まず、ガンマ関数と正の整数nの階乗との関係は、
――――――(1)
x>0のとき
――――――(2)
x=0のとき、
―――――――――(3)
である。
ま、階乗を拡張しただけ。

ガンマ関数の定義
x>0のときガンマ関数は
 



とあらわされる。ここで、





である。
部分積分すれば、 x>1のとき








であると確認できる。

 本当は、 (2) (3) 式の条件を満たす関数は、他にもあるらしい。
でも、正の実軸で、対数凸(対数をとったら、下に凸なってこと)である
有利型関数は、この形しかないと誰かが証明してくれている。らしい。

つづく (*3)

*3  この定義では、実部が負である複素数には対応できない。


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